自治体および公共ホールの皆様へ

伝統文化の価値への共感を共有

「AWA伝統芸能創造発信プロジェクト2020」より

(2020年、あわぎんホール/徳島県郷土文化会館)

 

「庵唄のふるさと 江戸芸能の風景」より

(2018年、南砺市城端伝統芸能会館 じょうはな座)

 

新型コロナウイルスは1年以上もの間、全国各地の文化事業及び劇場・音楽堂の活動に急ブレーキをかけ、3年目となる現在も明らかな出口が見えない状況が続いています。

ところが、コロナ禍ゆえに再考させられたこともあります。社会は<2020>に向けて前進と上昇を繰り返してきましたが、一時休止し、視線を下方と後方に向けてみることに意義が見出せるということです。下方こそ足元…自らの文化があり、後方にこそ蓄積してきた文化があります。自らが蓄積してきた文化こそ「伝統文化」に他なりません。今こそ「伝統文化」の価値を共有する絶好のチャンスと思われてなりません。

中でも伝統芸能の普及・振興においては、自治体の文化事業や公共ホールからの発信が最も大きな成果につながるものと考えています。

能・狂言、文楽、歌舞伎など、対外的にも日本を代表する伝統芸能とされている分野。日本舞踊や各種邦楽など、普段馴染みが薄い芸能分野。落語のようにメディアでも盛んに採り上げられ人気が高い分野。そして地域に伝承される郷土芸能など、一言で「伝統芸能」と言っても実にさまざまなジャンルがあります。

しかしながら、「どのジャンルをいかなる形で発信するか」…その解答を見出し、実践している地域やホールはむしろ稀少であると言えましょう。

2016年、大分市・ホルトホール大分


2017年、沖縄県・宜野座村文化センター がらまんホール

2019年、小田原市民会館

十数年ほど前の私たちも、特定のアーティストを売り込んだり、パッケージ公演のツアーを企画するなど、様々なご提案をしていた時期もありましたが、普及の成果を見ることはできませんでした。同時に各地域の公共ホールの皆さまからのご依頼に対するオリジナル企画の立案や、学校アウトリーチ公演のプログラムづくりなど教育分野とのお付き合いの中で、“地に足を付けた”伝統芸能の展開にとって公共の文化事業との確たる連携は不可欠であり、最も有効かつ有意義であることが判りました。

現在では、地域ごとの文化事情及び施設の役割や方向性を吟味した上で、中長期的視野を見据えての企画立案と制作、さらに教育や観光などとの連携も視野に入れるなど、さらに一歩踏み込んだ事業展開のお手伝いもさせていただいております。

伝統文化の価値への共感を共有しつつ、多種多様な伝統芸能の「地域の“顔”に相応しい在り方」を共に考え実践致してまいりたく、数多くの地域の皆さまとのご縁を望んでおります。