郷土芸能について
全国各地に伝承される諸芸能で、地芝居や人形芝居、各種神楽など〈演劇・舞踊〉、祭囃子から民謡などの〈音楽〉を中心に、ジャンルを横断して多岐にわたります。地域(かつての共同体)の祭礼に奉納されたり儀礼に用いられるなど、地域の“求心力”として、また地域へのアイデンティティとして機能するため、伝承者は地域住民であり、基本的にプロフェッショナルは存在しません。郷土芸能こそ伝統文化の価値を体現しており、その伝承・継続に向けた取り組みが不可欠と言えましょう。
本来、郷土芸能は“舞台芸術”ではありません。したがってステージで演じていただく場合、主催者はお招きする際の姿勢や演出に熟慮が必要です。出演が伝承へのモチベーションになったり、ご覧になったお客様が、祭礼時等に現地へ出向いて下さることが理想です。