コラーレ/パフォーミングアーツのエントランス

胡弓奏者・木場大輔さん、箏奏者・日原暢子さんに出演いただいた、黒部市国際文化センター コラーレ主催の「パフォーミングアーツのエントランス」『ニッポンの弾く楽器と擦る楽器〜胡弓&箏〜』が無事終了しました。

この「エントランス」シリーズは、様々なジャンルのパフォーミングアーツへの文字通り“入口”を用意する事業としてコラーレが長年取り組んできた事業です。地元の小・中学校へのアウトリーチ、そしてコラーレでの公演を3日間にわたり実施するものです。

12月6日(水)に黒部入りしてコラーレスタッフの皆さまと打合せ、翌7日(木)は黒部市立清明中学校で一年生対象に午前午後2回公演(各45分)、8日(金)は午前が黒部市立桜井小学校6年生、午後が同市立若栗小学校5、6年生対象(各45分)に行われたアウトリーチ公演。演奏家の息吹や生の音色を体感してもらえるようステージを囲むように座ってもらいました。木場さん、日原さんと共にプログラムを練り上げて臨んだ4公演でしたが、子どもたちの集中力と素直な反応に「何かが伝わっている…」と感じ、正直胸が熱くなりました。

9日(土)はコラーレ・マルチホールでの黒部市民の方々を対象にした演奏会。“エントランス”というコンセプトゆえ、楽器や演奏曲目についてアーティスト自身の言葉で分かり易く語りかけるMCが必須のライブです。日本の擦弦楽器・胡弓、そして撥弦楽器を代表して今回は箏…その歴史、構造、奏法などを、自分たちの楽器への想いや楽器ならではのエピソードも含めて、木場さんと日原さんが息の合ったトークでテンポよくお伝えしたためか、満席のコラーレ・マルチホールは和やかな雰囲気に包まれていました。

冒頭は会場暗転の中、木場さんが富山の方々にはお馴染み「越中風の盆」“夜流し”スタイルで登場。毎年八尾に通い、自らもこの地の胡弓を地元の先生から習い続けてきた木場さんならではの演出です。続いて、胡弓・箏/宮城道雄「春の海」、箏独奏/宮城道雄「手事 第一楽章」、古典「千鳥の曲」と、両楽器の伝統的な音楽を中心にお届けしました。ドリンクサービス付きの休憩を挟んで後半は、木場さんが通うもう一つの祭りである郡上踊り…その音楽である「郡上節」をモチーフに作曲した「郡上組曲」を胡弓と箏で演奏。音楽を通して“見えてくる”郡上節の世界観とでも言いましょうか…大きな拍手に包まれていました。続いて、新たに開発された日本の楽器・二十五弦箏と四弦胡弓による「ミッション・インポッシブル」のテーマ、そして木場大輔作曲「焔」が披露されました。アンコールは胡弓独奏による「こきりこ節」、そして日原さんと共に、小学生たちが思いっきり歌ってくれた「ビリーブ」を演奏。客席からは歌声やハミングも聞こえ、文字通り舞台と客席が溶け合うような時間と空間を味わうことができました。

澄んだ空気と美味しい水を満喫した充実の4日間でした。

 

地元FM局  ラジオ・ミューへの出演

清明中学校

桜井小学校

若栗小学校 児童の質問に答える木場さん

子どもたちの質問に答える日原さん

子どもたちに弓を説明する木場さん

           コラーレ・マルチホールでの演奏会