今、制作者としてできる事

5月15日に、(公社)公立文化施設協会より、「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(5月25日一部改正)が示されました。

https://www.zenkoubun.jp/covid_19/index.html

今まで様々な公演等事業でお世話になった劇場や自治体の皆さまに、現状とその対応について直接お話しを伺っていますが、ほとんどの施設は先が見えていない状況のようです。まずは感染防止、そして収束に向けてできる限りの「やれる事」は尽くしたいところですが、現段階では少なくとも、「今までの劇場空間」を成立させるのは難しいと言わざるを得ません。治療薬やワクチンが一般に流通するようになるまでは、安心を前提に、舞台を創り勤め、劇場に足を運ぶことは難しいのかも知れません。しかし、一刻も早い再開を前提に、全国各地の劇場、また自治体文化事業ご担当の皆さま、そしてアーティスト・スタッフの皆さまと共に、“bestではなくbetter”を旨に知恵を絞って行きたいと考えています。

沖縄県宜野座村文化センター・がらまんホールの実験は、何かを決めて行くための様々な素材を提供してくれています。この期に及んで正解などあり得ませんが、伝統芸能の企画・制作に携わる私たちの立ち位置でできることを、微力ではありますが取り組んでまいります。

〔古典空間〕…3つの課題と取り組み

  • アーティスト・舞台関連スタッフの皆さまに向けて各種支援の枠組みのご紹介・ご相談、また「政府・自治体による支援」要請の向けた連携への参加促進などのアドバイスとサポート。

※特に伝統芸能ジャンルは「連携」という動きに消極的な側面が大きく、新たなベクトルの構築を目指しています。

  • アーティストの進める「映像配信」のアドバイスやサポート。

※収束後のご来場を促進するに資する内容、芸能ジャンルの特徴やアーティストの素顔、踏み込んだ実験

…映像ゆえに伝えられる事など、明確な目的のもとに作られた映像を目指しています。

  • 融資や支援申請など、法人としての体制維持に向けた取り組み。

※これは“自らの生き残り”作戦です。1998年(平成10年)の法人化以来、法人ゆえに実現できた事の意味を今実感しています。この事態に接し、法人体制の維持は私たちの「伝統芸能普及・振興プロジェクト」の生命線と再認識できました。

                                            (小野木記)