「日本舞踊家集団 弧の会×邦楽囃子方集団 若獅子会」富山公演

オーバード・ホール開館25周年記念
「日本舞踊家集団 弧の会 × 邦楽囃子方集団 若獅子会」公演
主催:公益財団法人 富山市民文化事業団、富山市
日程日時:2021年5月29日(土) /開場14:00/開演15:00
会場:富山 オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)

本来であれば、昨年の3月7日に実施予定でしたが、コロナ感染拡大の影響により、本番目前に中止となってしまった「弧の会×若獅子会」……5月29日(土)、オーバード・ホールの皆様のご尽力にて、ようやく公演が実現しました。

事前に関係者全員のPCR検査を実施するなど、可能な限りの感染対策を行った上での実施となりました。

今回の公演は、客席は1階から3階とし、定員1500名の50%での券売となりましたが、700名以上がお運び下さいました。
開演冒頭のご挨拶MCで弧の会と若獅子会のメンバーから、「どれほど待ち遠しい思いでいたか」が語られると、会場全体からそれに応えるかのように拍手が響きました。

昨年のプログラムでは、事前に地元の子供たちに向けて日本舞踊ワークショップを行い、本公演に「弧の会と踊ろう!」コーナーを設けて弧の会メンバーと共に成果発表をしていただく予定でした。今回は残念ながら実現できませんでしたが、代わりの演目として1番目に「若獅子」を上演しました。若獅子会が作曲した囃子組曲「若獅子Ⅰ」に、五穀豊穣、億度安穏、疫病退散などの祈りを込めて踊る「三番叟」をもとに弧の会が振付けた演目です。

続いて、弧の会が代表作「御柱祭」で客席を沸かせ、休憩を挟んだ後は、昨年他界された人間国宝・堅田喜三久師による構成曲「鷹と獅子」を、若獅子会が思いを込めて演奏しました。最後に、本日の目玉として3年間に渡り温めてきた、創作囃子/創作舞踊「火牛」を上演しました。

地元、富山にちなんだ演目として、一連の源平合戦の中でも「倶利伽羅峠の戦い」で特に知られている場面…源義仲が「火牛の計」によって平維盛率いる平家の大軍を打ち破る場面を、新たに邦楽囃子と日本舞踊で表現した演目です。

上演中、客席から何度も拍手が沸き起こったことも印象的でした。
それほどまでに今回の公演が、ご来場の方々に響くものがあったと受け止めています。
また、SNSに「日本舞踊も邦楽もちゃんと観るのは初めてだったけれど、すっごくカッコ良かった…!(中略)日舞や邦楽ってよく分からないしとっつきにくいと思っていたけれど、そんな難しいものではなく本能で分かる音楽なのだと思った。今まで触れずに生きてきたのがもったいなかった!(中略)オーバードホールをとても気に入ってくれたようで地元民として嬉しかった。(中略)また富山に来ていただきたい!」という感想もいただきました。

今まで日本舞踊や伝統音楽に触れてこなかった方々や若い世代にも、伝統芸能を通して地域の誇りを感じていただけたのでは、と思うと感慨無量です。

公演の実現に向けて、企画から3年半にわたりサポートいただいたオーバード・ホールの皆さんに改めて感謝しています。

「若獅子」

 

「火牛」への舞台転換を実際に見て頂く

 

「火牛」のクライマックス

熱狂のカーテンコール