三味線三昧!in徳島

数々の日本の芸能を支えてきた楽器「三味線」。そのルーツである三線のふるさと・沖縄→信長、秀吉の時代に三線を迎え入れた地・大坂の堺→人形浄瑠璃や阿波踊り…郷土芸能に欠かせない楽器として定着した徳島。三カ所の公共ホールが連携して行う三味線フェスティバル「三味線三昧!」が、12月4日(日)、徳島県郷土文化会館・あわぎんホールで行われました。
冒頭の「三味線プレトーク」で、4種類の三線・三味線の比較を行いました。今回は自らも長唄三味線奏者として一線で活躍する鳥羽屋里夕さんに司会をお願いしたことで、興味深い観点からの切り口と“納得”の解説により進行しました。そして各楽器の名曲の披露と続き、最後は全員による大合奏。一口に三味線と言っても、基本構造は同じでも、それぞれが異なる歴史的背景と地域性により実に個性的な特徴を持つため、構え方から奏法に至るまで相互の互換性はほとんどありません。従って合奏は困難を極めますが、今回は「三味線と言う楽器を通して、文化の系譜と多様性をお伝えしたい」という目的に、演奏家の皆さんが共感して下さり実現しました。あわぎんホール担当者の方々による事前の広報が功を奏してか、想定外のお客様がお集まりくださり、圧巻の演奏に熱狂のエンディングを迎えることができました。
一方ロビーでは、三味線と同じ構造を持つモンゴル、中国、ベトナムの三弦楽器や皮の張っていない三味線ほかを展示し、視覚的にも企画意図をお伝えしました。休憩時や終演後には人だかりが途絶えず、関心の高さを実感できました。
次週、沖縄公演に向けても良きスタートが切れたのではないかと思っています。