文化庁主催「令和5年度 学校巡回公演事業」本公演

事前ワークショップも含めて昨年の7月から全国各地の小中学校で巡演を重ねていました
文化庁主催「令和5年度 学校巡回公演事業」が無事完了しました。

今年度のラストは、「語ってみよう!義太夫節」公演で福岡県の小学校を訪問しました。

1月15日(月) 北九州市立牧山小学校(5,6年生/89名)
1月16日(火) 福岡市立香陵小学校(全校児童/440名)
 

どちらの学校も子どもたちの楽しそうに参加する姿が印象的で、公演中も笑い声が聞こえてきたり、声を出す体験では会場の体育館に響き渡るほどの声量で頑張ってくれたりと、終始大変な盛り上がりでした。時には、会場の盛り上がりを受けとめた舞台スタッフや出演者の皆さんが、「子どもたちに負けてられない」と”闘争心”を燃やすほどでした。そして終演後は、子どもたちが抱く”伝統芸能”への堅いイメージや先入観を少しでも払拭できたような、そんな手ごたえを感じることもできました。

また、今回巡回した学校は、どこも選抜メンバーによる体験発表がすばらしく、緊張しながらも精一杯努めようとする姿には、毎回胸を打たれました。特に、発表後の感想インタビューで「上手くいかないところは友達からアドバイスをもらって一緒に練習した」「友達がいたから最後まで頑張れた」という言葉を聞いたときは、”義太夫節”という芸能を通して大切で貴重な経験を得てくれたことを知り、思わず嬉し涙が出ました。

”舞台”というのは、出演者だけでなく、裏で支えるスタッフ、観てくれるお客さんの3者が揃って、はじめてつくり上げられるもので、これは「伝統を今につなぐこと」にも言えることです。
現在の”伝統芸能”は、たくさんの人々が携わり支えてきたからこそ、今に伝承されているのだと私は思います。子どもたちのおかげで、そんな当たり前のことを改めて考えたり実感することができました。
 
学校の先生方も大変お忙しい中、朝早くからの会場準備や搬入出の動線確保など様々ご協力くださったおかげ様で、とてもスムーズに作業を進めることができました。
学校、出演者、スタッフ全てが一体となってつくり上げる学校公演、
伝統芸能や舞台の魅力を少しでもお伝えできていれば幸いです。
(久保記)

見慣れた体育館が1日だけの特別な舞台に一転!

ステージには金屏風と山台を設け、本格的な舞台を再現!

 

義太夫節の衣裳や道具について解説する様子

体験発表直前の子どもたちの様子

出演者と子どもたちの全員体験コーナーの様子

子どもたちから御礼の言葉をいただく様子