徳島県 特別養護老人ホームへのアウトリーチ

2月6日(火)、徳島県吉野川市にある特別養護老人ホーム「水明荘」にて、義太夫節によるアウトリーチを行いました。

あわぎんホール(徳島県郷土文化会館)が、国からの補助金(「劇場・音楽堂等機能強化推進事業」)を得て実施するもので、今回はそのコーディネートの側面よりのお手伝いでした。

太夫は竹本京之助さん、三味線は鶴澤津賀榮さんにお運びいただきました。

徳島県と言えば阿波人形浄瑠璃の本場であり、ご年配の皆さまにとっては親しみ深いものでは…と思いきや、意外にもほとんどの方々が間近で素浄瑠璃に接するのは初めてとのことでした。

まずは、義太夫節の歴史を簡単にお話しした後、お馴染み『傾城阿波の鳴門』より「巡礼歌の段」を聴いていただき、続いて、大きな声の出し方や三味線の説明、そして肩衣や見台など、義太夫節の表現についてその背景にあたるお話、また併せて「語り」の体験コーナーも設けましたが、皆さま大きな声で参加してくださり会場が温まりました。

最後は『仮名手本忠臣蔵』より「殿中刃傷の段」を聴いていただき、質疑応答コーナーも含めてアッと言う間の1時間でした。ご参加くださったご年配の皆さまの、満足そうな表情が印象に残ります。

このところ、学校等、教育機関に出向く機会が多くなっていましたが、街中の劇場等文化施設に足を運ぶことが難しい世代の方々に向けても、こうしたアウトリーチは欠かすことのできない大切な事業であることを改めて感じた1日でした。

数々の準備を重ねてお迎え下さった、水明荘の皆さま、そしてあわぎんホールご担当者さまには心より感謝致しております。