琉球舞踊・立方(踊り手)として初めての重要無形文化財保持者・ 各個認定、いわゆる人間国宝として重踊流宗家・ 志田房子先生が認定されることになりました。
沖縄の歴史と文化を背景に生まれた数々の芸能。その中でも、 琉球王国の宮廷芸能として洗練と熟成を重ね、 明治以降の沖縄の社会と深く関わりつつ伝承、 進化した踊りこそ琉球舞踊です。
昨年、 国立劇場おきなわで芸歴80周年を記念した舞踊会を催されました が、〈伝承・普及・創造〉 という現代社会における伝統芸能の課題を、 高次に成し遂げられたことが認定の所以でしょう。
古典舞踊の優しさと重厚さ、雑踊のお茶目な愛らしさ、 創作舞踊の演出や振付に込められたメッセージ… 多くの人々に共感を与えてきたことは間違いありません。
2001年から沖縄市を皮切りに、石垣市、 那覇市ほか各所で上演された『沖縄発・三弦三昧』( アサヒビール音楽キャラバン)、2003年から那覇市、名護市、 そして東京で上演された『未来への潮流』(JASRAC他主催) など、 志田真木さんと共に様々ご一緒いただいた事を懐かしく思い出しま す。
都度、先生の暖かくも強い想いに触れて、舞踊家として、 何より人として心より敬意を抱きました。
今回の認定内示を受けて行われた記者会見で、 司会の大役を仰せつかりました。「無形のものはしっかりと残る、 一人一人が大事に心の中で育てていれば、 何にも負けないという強い思いがあります。」 そして沖縄の有形文化を破壊した戦争だけは絶対やってはいけない 事…横で伺っていて深く印象に残るお言葉でした。
改めて…心よりおめでとうございます。