今年の「大人のハロウィン講談」

お岩さんやお菊さん、『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪たちなどの仮装ならば、まだ許容できるのですが…。
「異文化の受け入れ方に物申す」目的で企画した”ハロウィン講談”。
決してハロウィンなるものに乗じた企画ではありません。乗じるとするならば、
この機に「日本の怖さとは何か?」「怪談とホラーとは違う!」というテーマを講談を通してお伝えすることでしょうか。
 
YCC(代々木八幡コミュニティーセンター)ホールを、シアターワークショップ舞台技術部の
皆さまが、前回(昨年10月31日、和室で開催)に引き続き、上記テーマをお伝えするに足る
“素晴らしい”異空間に作り替えて下さいました。
講談をはじめとする話芸に、ビジュアル要素や演出を加えることは、言葉自体が持つ力や、
聴く側の想像力を妨げない範囲で行うべきと考えていますが、その範囲を逸脱しない実に心にくい舞台美術であったと思います。
 
田辺銀冶さんと神田山緑さんが企画意図をお伝えする楽しいトークを繰り広げた後、銀冶さんが、『牡丹灯籠』より「お札剥し」、山緑さんが『四谷怪談エピソードZERO お岩誕生』をゾクッと
読んで下さいました。
伝統芸能公演には、常に時代や社会に向けてのメッセージを込めて臨みたいものです。
 
 

撮影:ヤナガワゴーッ!