城端の未来と文化の力

 

「城端に生きる江戸芸能2」が無事終了しました。

 

【第一部】富山ではお馴染み… 絶妙な問いかけと、思わず心を開かせてしまうお人柄のパーソナリティ・下澤弥生さんによるプロローグ。絹織物が結んだ城端と江戸文化との深い関わりをスライドを用いながら解説いただいた後、招き入れた杵屋邦寿さんに長唄について後Q&A。

続いて、杵屋邦寿さんの長唄三味線弾き語り「一人勧進帳」。演奏、唄、語り…一人三役で芝居や物語の世界を伝え切る独自のスタイルで客席を魅了。富山県南砺市城端の地で「なぜ長唄?」「なぜ勧進帳?」…五年目にしてようやくお伝えできたのではないか思いました。

【第二部】城端が誇る庵唄の源流である江戸端唄の魅力をお伝えするべくお招きし、城端ではお馴染みの本條秀太郎さん。江戸端唄二曲の後、庵唄保存会の皆さまとの江戸端唄と庵唄の聴き比べにより「夕暮」を堪能。そして、本條先生が城端のために作曲なさった新しい端唄を再びご披露いただきました。既に覚えて口ずさむお客さまも。

繊細で上品、粋を極める本條先生の唄声と演奏を、深部まで受け入れる城端の懐の深さを改めて実感しました。

 

五年間にわたってお届けした「城端と江戸芸能との関わり」をテーマにした公演。舞台と客席の文字通り“一体感”を体感できました。文化の力で「まち」をどのように変えるか…文化政策を視座に展開する公共ホールの事業展開、そして企画立案…その大切さを再認識します。大きな価値を有する城端文化の未来を思い描き、城端の皆さま、そしてじょうはな座スタッフの皆さまと共に積み上げてきた、五年と言う期間が育てた結果に他ならないのでは、と受けとめています。